2009年07月07日

遺産分割で借金を分ける

相続人は借金等の債務の遺産分割はできるか

相続債務の負担について法定相続分と割合での遺産分割協議をしても、相続人の相互間では有効ですが、それを債権者に主張できません。法定相続分です。


死亡した人に借金等の債務があった場合には、遺産分割協議が成立していなくても、その相続人はその残された債務については法定相続分に従って分割された額を負担することになります。

妻と二人を残してなくなった夫が、2000万円の債務を残していたのなら、妻は1000万円、長男次男がそれぞれ500万円を負担することになります。

つまり仮にこの相続人の間で、「すべて長男が引き継ぐ」といったように、相続人の1人がすべての債務を引き受けるというように、その債務を負担することについて法定相続分とは違う内容の遺産分割協議が成立したとしても、それは相続人の相互の間では有効ですが、それを債権者に主張することはできません。
 
相続人間が任意に債務負担の割合を決めることができるのならば、返済能力の全く無い誰かに全てを引き継がせてしまうこともあるでしょう。そうすれば債権者はすべてが回収不能になる可能性があります。そうすると債権者にとって大変に不利な結果となってしまいます。


■相続人数人ある場合において,相続財産中に金銭その他の可分債権あるときは,その債権は法律上当然分割され各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継するものと解すべきである。
(最高裁判決昭和29年4月8日)


しかし逆に債権者側が、債務の引き受け割合を決めることはできません。2000万円について「すべて長男が引き継げ」ということはできないのです。妻からは1000万円、子からはそれぞれ500万円づつを請求することしかできません。法的には子の500万円を妻に請求することはできないのです。


■債権者は連帯債務者を相続した数人の相続人の各自に対し当然に全部の履行を請求する権利を有するものではない。(大審院判決昭和16年5月6日)



ただし債権者との話し合いで誰が引き継ぐのかを決めることはできます。もしも1000万円全額を長男が引き継ぐのを相続人間で合意し、債権者も納得すれば可能です。これを「免責的債務引受」といいます。
 
債務引受とはある人の債務を他の人が引き受けることです。ここでは妻の負担すべき500万円と次男の負担すべき500万円を長男が引き受けるということです。
 
以下はすこし難しくなりますが大切なところです。

それは「免責的(めんせきてき)債務引受」なのか「重畳的(ちょうじょう)債務引受(あるいは併存的債務引受)」なのかです。


免責的債務引受とは…債務者が交替することです。つまり妻や次男の債務者としての立場が長男に交代しますから、妻や次男はその債務とは関係がなくなります。債権者は妻や次男には請求できなくなります。


重畳的債務引受とは…債務者が一人増える。つまり妻や次男の債務者としての立場はそのままで、そこに長男が加わるだけです。債権者にとって見れば長男に請求してもいいし次男に請求してもいい、ということになります。債権者は妻や次男に対しても請求できます。


なお免責的債務引受だったとしても、それとは別に、妻や次男が連帯保証人になってしまえば、それは重畳的債務引受と同じです。

誰かが全てを引き継ぐのであれば「免責的債務引受」であって「連帯保証なし」が原則です。

債務の方が財産より多いのであれば、相続放棄や限定承認を検討しなくてはいけません。


■被相続人が死亡時に負担していた義務は、財産上の関係に属するものである以上相続人はすべてこれを承継する。
(大審院判決大正10年10月20日)

■罰金刑は受刑者の相続人に対しても執行することができる。
(大審院判決明治45年5月14日)



未払いの税金や罰金までも相続されます。なかなか厳しいものです。

posted by SSS at 18:47 | 債務関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月06日

養子縁組(普通養子)

■普通養子

養親となる者と養子となる者の合意により養子縁組を成立します。

養子となる者が幼少である場合などは法定代理人などが代わって縁組の承諾をすることになる。養子となる者が15歳未満である場合は法定代理人が養子となる者に代わって縁組の承諾をする(代諾養子)。

また、養子となる者を保護するため公的機関の関与を要求することがある。日本では、未成年者を養子とする場合は、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合を除き家庭裁判所の許可が必要となります。


posted by SSS at 18:08 | 養子縁組 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月03日

土地と建物の所有者が違う場合

Q.土地と建物の所有者が違う場合、どんな問題がありますか?

1.親の土地に長男が家を建てた場合

親の土地の上に子が家を建てる場合、親は特に契約もせず、地代などを取らないのが普通です。
このような関係は、一般に土地の使用貸借(民法593条)とみられています。

使用貸借は借地権に比べはるかに弱い権利であり、
税務上、使用貸借の価額はゼロとされているので、
贈与税はかかりません。

相続が発生したときに、通常の自用地の評価で相続税が課税されます。


<遺産分割のやり方>

使用貸借は弱い権利であるとはいっても、契約に定めた目的を達するまでは
土地を使用収益できる権利です(民法597条2項)。

子の建物所有を目的とする場合、通常はその建物が朽廃するまで
使用させる趣旨と考えられますから、
他の相続人たちが長男に土地の明け渡しを請求することは困難です。

したがって他の相続人たちは、土地を長男に取得させ他の遺産を取得するか、
他に遺産が無い時は長男に金銭を支払わせるという
代償分割の形をとることになるでしょう。

この場合、使用権の負担のない土地を取得することから、更地として評価し、
長男はその額を取得したものとして扱います

タダで使用していたことについて、賃料相当額特別受益となるかが問題となりますが、
被相続人がそのように考えていたとは思われないため、持ち戻しはしないのが実務です。


2)長男の土地上に父親の家がある場合

父親が借地権付建物を買って暮らしており、
長年月してから長男の金で底地を買い、
土地は長男名義にする
、というのはよくあるケースです。

この場合、父は長男に地代を払わないのが普通ですが、その場合、
借地権は消滅し、使用貸借になったとみるべきでしょうか。

税法上はそのように解されています。
父から長男に借地権の贈与
があったことになり、長男に贈与税が課せられます。
相続の段階では、この贈与が特別受益として扱われるのは当然です。
また、使用貸借は税法上評価されないので、相続時には、
土地について相続税の問題は生じません

この場合、借地権は存続しているが、長男が父に対し地代を免除しているだけ
だと考えることもできます。
この場合、父と長男が所轄税務署に対して、上記の趣旨の申出書を提出すれば、
贈与税は課せられません。
相続時には、借地権が課税対象となり、また分割の対象となります

posted by SSS at 15:45 | 不動産(借地)関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月02日

遺言について 961条〜

遺言のポイントを紹介します。

【遺言ができる年齢】961条
満15歳で出来ます。

【遺言を受ける資格】965条
遺言をした時に 胎児であっても相続できる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%BB%E5%BE%8C%E6%87%90%E8%83%8E%E5%AD%90

【自筆証書遺言】968条
遺言者が全文、日付、氏名を自筆しこれに印を押さなければいけません。
また訂正は その場所を指示、変更した旨を付記し、これに署名且つ
その場所に印がなければ効力がありません。

【公正証書遺言の方式の特則】969条2
遺言者が口がきけない場合 手話通訳や自筆する事が可能。
その場合は公証人は証書にそのような方法をとった事を記載する必要があります。

posted by SSS at 14:03 | 遺言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月13日

遺留分

相続において非常に重要であるにも関わらず
ほとんど認知されていないものの一つとして
「遺留分」というものがあります。

「遺留分」とは法定相続人に対して最低限の相続分として
保障されている権利のことです。

この権利が絡む問題がしばしば見受けられます。

具体的には、遺言書が存在するものの、その内容が
「遺留分」を侵害しており、侵害された相続人が
その権利を主張し、遺言書通りの相続とならない、
といったケースがあります。

相続においては、「遺留分」の存在を忘れないで下さい。

posted by SSS at 15:33 | 相続の基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月11日

居住用財産の3,000万円特別控除の特例

居住用財産については税務上様々な優遇措置があります。

居住用財産の3,000万円特別控除とは、一定の要件に該当する
居住用財産を売却した場合、その所有期間の長短に関係なく
譲渡所得から最高3,000万円まで控除できるという制度です。

この特例を受けるためにはいくつか要件がありますが
その代表的なものとしては

@売却した年の前年及び前々年にこの特例又は居住用財産の
買換えや交換等の特例を受けていないこと

A売主と買主との関係が親子や夫婦、生計を一にする親族等、
 特別な利害関係を有していないこと

などです。

所有期間は関係ないとはいえ、あくまで居住用の財産ですから

@この特例を受けることだけを目的として一時的に居住したと
 認められる場合

A別荘等のように主として趣味や娯楽又は保養のために所有
 している場合

などには適用されません。

ちなみに、この特例を受けるためにはたとえ税金がゼロであっても
確定申告が必要ですのでご注意下さい。



posted by SSS at 03:58 | 不動産(借地)関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月09日

固定資産評価額の評価替え

不動産を所有されている方には毎春
固定資産税の納税通知書が送られてきます。

そちらには固定資産税算定の基礎となる
固定資産評価額が記載されていますが
今年度は3年に一度の評価替えの年になります。

相続では家屋の評価に固定資産評価額を使用します。

東京都のある市役所のホームページには
赤字で市内全域の土地の評価額が上昇しました
と書いてありました。
これは「土地の固定資産税が上がりますよ」という
ことを意味します。

みなさまがお住まいの市町村のホームページを
チェックすると情報を入手できると思いますので
興味のある方はチェックしてみて下さい。


タグ:相続 相続税
posted by SSS at 19:18 | 不動産(借地)関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月03日

タワーマンションと相続税対策

資産を現金から不動産へ変えることは相続税対策として有効です。
相続財産としての評価は現金よりも不動産が低いためです。

そこで今回はタワーマンションを相続税対策として購入する場合を
考えます。

先日タワーマンションの高層階のお部屋に行く機会がありました。
想像していたよりも素晴らしい景色で少し驚きました。

タワーマンションの大きな価値の1つは素晴らしい景色であることを
再認識させられました。
同じ間取り、同じ設備の部屋でも高層階と低層階とでは1000万円の価格差が生じる場合もあるそうです。

しかし、相続税の評価では部屋の眺望や日当たりは考慮されません。
実際の取引価格が大きく異なっても同じ間取り、同じ設備の部屋であれば相続税の評価は同じです。
つまり価格(価値)の高い部屋の方が節税効果が高くなる、ということになります。

posted by SSS at 17:05 | 不動産(借地)関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月30日

相続した不動産の登記

Q. 不動産を相続した場合、登記は
  いつまでにしなければなりませんか?

A. 期限はありません。
  
  登記をしなくても相続した権利に直接の影響はありません。
  しかし、その不動産を売却する場合などは登記をする必要があります。
  また、実際の所有者と登記の名義人が異なる状態のままにしておくと
  様々なトラブルの原因となる可能性があります。
  従いまして、できるだけ速やかに登記すべき、ということになります。
posted by SSS at 16:53 | 不動産(借地)関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月24日

銀行口座の凍結

お亡くなりになられた方の銀行口座は
遺産分割協議等が終了するまでの間、凍結されます。

口座の凍結は銀行が相続発生の事実を知ってから
行なわれるため、相続人の中のどなたかが
銀行へ連絡することによって凍結の手続がとられるのが一般的です。

口座の凍結がされないと預金の引き出し等が行なわれて
しまいますので銀行への連絡を失念しないようご注意下さい。
posted by SSS at 17:45 | 相続の基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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